【読書memo】知りたいのは、インタビューの「準備」と「失敗例」

正直、どんなことでもそうだと思うのですが、「成功事例」ってあまり参考にならないことが多い様な気がします。実際問題、「他人の成功体験」から「ノウハウ」や「マニュアル」として受け取れるものってそんなにないんですよね。成功要因なんてひとつじゃないし、その人の人柄とか背景すべては真似できないですし。

もちろん、モチベーションがぐっと上がったり、勇気をもらって背中を押されることはありますから、精神論的なこと、心構えを知りたいときはいいですけど。

 

これまで、私も仕事に活かせるヒントが欲しくて様々な本に手を出してきたのですが、その中であることに気づきました。実際に「ノウハウ」として参考になるのは「成功編」ではなくて「準備編」「失敗編」だということです。

私の場合、知りたかったのはライターの仕事、主に「取材とインタビュー」についてのヒントです。その中で、「準備編」「失敗編」それぞれ参考になったのは次の2冊でした。

 

◆準備編

 

カンブリア宮殿 村上龍の質問術 (日経文芸文庫)
村上 龍
日本経済新聞出版社 (2013-10-25)
売り上げランキング: 21,881

 

TV番組『カンブリア宮殿』で長年司会を務める村上龍さんが、これまでの経営者インタビューを一つひとつ振り返ってまとめたという一冊。

この本の中で「これは参考になる!」と思ったのは、村上さんが事前に情報を集めて準備していた「想定していた質問」と、インタビューを構成するうえでの「核となる質問」のリストでした。特に私は企業広報を専門としていて経営者の方にお話を伺うことも多いので、村上さんが事前にチェックされている項目やポイントは勉強になりましたね。

取材やインタビューでは、多くの場合いきなり初対面の方にお話を伺うことの方が多いので、かなりの時間を事前準備に費やします。その準備の仕方について、とても有意義なヒントが得られました。

ただし、この本はかなり玄人向けのような・・・
「日常会話でちょっと使いたい」という方には向かないかもしれません。

 

◆失敗編

 

聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)
阿川 佐和子
文藝春秋
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数年前にベストセラーになった本ですが、今更読みました! 読んで、何でこの本がそんなに人気を集めたのかすこしわかった気がしました。

それはもちろん阿川さんのお人柄、ユーモアに富んだ文章の力もあると思いますが、何よりも書かれているエピソード自体が「失敗体験のオンパレード」だったこと、それが大きいのではないか・・・と。

インタビューの相手として出てくるのがことごとく大物の方ばかりなので、私は読んでいて戦々恐々としてましたが(笑) 「そうか、こういうのは失礼にあたることもあるのか」とか、「こういうこともあるから想定しておいた方がいいんだな」とか、失敗事例から学ぶことって本当にたくさんあって、しかも自分の具体的な行動にすぐつなげられるんですよね。

あとは「阿川さんほどの方でもこんなことあるんだ!」って、ちょっとほっとできるというのも、正直あるかな・・・。

 

この「準備」と「失敗」の例は、誰にとっても、どんな分野でもそうじゃないかなと思います。何かを模索しているとき、「成功体験」を追い求めるのではなくて、ときには「準備」「失敗」に目を向けてみると思わぬヒントが見つかるかもしれません。